カーボンキャプチャ(CCS・CCUS)

工場や発電所から出るCO2を回収し、地中深くに閉じ込める(CCS)、または製品の原料として使う(CCU)技術です。セメント・鉄鋼・化学など、排出をゼロにするのが特に難しい産業の脱炭素手段として位置づけられています。

押さえておきたいポイント
  • 2024年に「CCS事業法(二酸化炭素の貯留事業に関する法律)」が成立し、試掘や貯留事業を国が許可する制度が整いました。
  • 政府は2030年までに年間600万〜1,200万トンのCO2貯留を始めることを目指し、JOGMECが「先進的CCS事業」を選定して支援しています。
  • 大気中のCO2を直接回収するDACなど、過去の排出も減らせる「炭素除去(CDR)」も注目されています。

カーボンキャプチャの最新ニュース

Global CCS Institute(英語)·2026-09-24
Global CCS Institute(英語)·2026-09-18
Global CCS Institute(英語)·2026-09-17
Carbon Capture Journal·2026-09-17

記事の見出し・出典は各配信元のものです。全文はリンク先でご覧ください。一覧は1時間ごとに自動更新しています(更新: 2026年9月26日 16:00)。

解説:カーボンキャプチャの基礎知識

CCSのしくみ

  1. 分離・回収:排ガスからCO2を分けて取り出します。アミンなどの化学吸収液を使う方法が代表的です。回収にかかるエネルギーとコストの削減が技術開発の中心です。
  2. 輸送:パイプラインや、液化したCO2を運ぶ専用船で貯留地まで運びます。国内の排出源と海外の貯留地を船で結ぶ構想もあります。
  3. 圧入・貯留:地下1,000mより深い、すき間の多い砂岩などの地層(貯留層)に圧入します。上を泥岩などの通しにくい地層(遮へい層)が覆っていることで、CO2が長期間閉じ込められます。

北海道苫小牧市の実証試験では、2016年から2019年にかけて累計30万トンのCO2を海底下の地層に圧入し、その後も監視が続けられています。

CCSとCCU・炭素除去の違い

用語意味気をつけたい点
CCS回収したCO2を地中に貯留する長期のモニタリングと、漏えい時の責任の所在が論点
CCU/カーボンリサイクルCO2をコンクリート・化学品・燃料などの原料として使う燃料にした場合は、使った時点で再びCO2が出る
DAC大気中の薄いCO2を直接回収する回収に大きなエネルギーが必要で、コストが高い
BECCSバイオマス燃焼で出たCO2を回収・貯留する燃料の持続可能性が前提となる

国内外の動き

国内では、先進的CCS事業に選ばれた案件ごとに、排出源となる企業・輸送・貯留を担う企業が連携して事業化を進めています。CCS事業法で、貯留事業者には貯留後のモニタリングが義務づけられ、一定期間が経過して安全性が確認されれば管理業務をJOGMECに引き継ぐ仕組みも設けられました。

海外では、ノルウェーなど欧州の北海周辺で、複数の排出源のCO2を船で集めて貯留する共用型インフラの整備が進んでいます。米国では税額控除(45Q)が事業の採算を支えてきました。

ニュースを読むときのポイント

  • 量の単位:CO2の量は「トン/年」で示されます。大型の石炭火力1基の年間排出量は数百万トン規模にのぼるため、実証規模(数万〜数十万トン)との差を意識しましょう。
  • 「回収」だけか「貯留」までか:回収したCO2を最終的にどこへ持っていくのかで、削減効果の評価は変わります。
  • 地元との合意:貯留地の選定には、漁業者や自治体との調整が欠かせません。

公的な情報源

解説の最終更新日: 2026-09-26

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