GX用語集

GX関連のニュースによく出てくる専門用語を、分野ごとにまとめました。各用語から関連する分野の解説ページにも移動できます。

基本

GX(グリーントランスフォーメーション)
化石エネルギー中心の産業・社会構造を、クリーンエネルギー中心の構造に転換していく取り組み。日本政府は、脱炭素とエネルギーの安定供給、経済成長の同時実現を掲げている。→ 政策・規制・市場動向
カーボンニュートラル
温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量や除去量を差し引いて、合計を実質ゼロにすること。日本は2020年10月に、2050年のカーボンニュートラル実現を宣言した。
NDC(国が決定する貢献)
パリ協定のもとで各国が提出する温室効果ガスの削減目標。日本は2013年度比で2030年度に46%、2035年度に60%、2040年度に73%削減する目標を掲げている。
GX推進法
2023年に成立した「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」。GX経済移行債の発行や、成長志向型カーボンプライシングの導入を定めている。2025年の改正で、排出量取引制度の法定化などが盛り込まれた。
GX経済移行債
GX投資を先行して支援するために国が発行する国債。10年間で20兆円規模を発行し、将来のカーボンプライシングによる収入で償還する。国際的な認証を受けた「クライメート・トランジション利付国債」として、2024年から発行されている。

カーボンプライシング

成長志向型カーボンプライシング
日本のカーボンプライシングの基本方針。先に投資を支援し、排出量取引制度、化石燃料賦課金、発電事業者への有償オークションを段階的に導入して、炭素に価格をつけていく。→ カーボンクレジット/カーボンプライシング
GXリーグ
GXに積極的に取り組む企業が、官・学と協働する枠組み。2023年度から本格的に始まり、参加企業による排出量取引(GX-ETS)の試行の場にもなってきた。
GX-ETS
日本の排出量取引制度。2026年度から、CO2の直接排出量が年10万トン以上の企業に参加が義務づけられ、業種ごとの基準などにもとづいて排出枠が割り当てられる。→ 排出権取引(ETS)
化石燃料賦課金
化石燃料の輸入事業者などに、燃料に含まれるCO2の量に応じて課す負担金。2028年度から導入される予定。
地球温暖化対策のための税
2012年に導入された、化石燃料の利用に応じて課される税。税率はCO2排出量1トンあたり289円相当で、諸外国の炭素税と比べて低い水準とされる。
J-クレジット
省エネ設備の導入、再エネの利用、森林管理などによる温室効果ガスの削減量・吸収量を、国がクレジットとして認証する制度。企業のオフセットや、GX-ETSでの利用などに使われる。
JCM(二国間クレジット制度)
日本が途上国などのパートナー国と協力して脱炭素技術を普及させ、実現した削減量の一部を日本の削減目標の達成に活用する制度。
CORSIA
国際民間航空機関(ICAO)が定めた、国際航空のCO2排出を抑えるための制度。一定の水準を超えた排出分を、適格なクレジットの購入やSAFの利用で相殺する。
CBAM(炭素国境調整メカニズム)
EUが導入した、鉄鋼・アルミニウム・セメント・肥料などの輸入品に対し、製造時の排出量に応じてEU域内と同等の炭素価格を課す制度。域外への生産移転(カーボンリーケージ)を防ぐことが目的。

電力・再エネ

FIT(固定価格買取制度)
再エネで発電した電気を、国が定めた価格で一定期間買い取ることを電力会社に義務づける制度。2012年に始まり、太陽光発電の急速な普及を後押しした。→ 再生可能エネルギー
FIP(フィードインプレミアム)
再エネ発電事業者が市場で電気を売った価格に、一定のプレミアムを上乗せする制度。2022年4月に始まった。需要の多い時間帯に売る工夫が収入につながるため、再エネを電力市場に統合するねらいがある。
出力制御
電気の供給が需要を上回りそうなときに、発電所の出力を一時的に抑えること。需要の少ない晴天の休日などに、太陽光発電を中心に実施される。
ペロブスカイト太陽電池
ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造をもつ材料を使った太陽電池。薄く軽く、曲げられるため、建物の壁面や耐荷重の小さい屋根にも設置できる。主な原料のヨウ素は日本が世界有数の産出国であることから、国産技術として期待されている。
洋上風力発電
海上に風車を設置する発電方式。海底に基礎を固定する「着床式」と、浮体に風車を載せて係留する「浮体式」がある。日本では再エネ海域利用法にもとづき、国が区域を指定して事業者を公募する。
容量市場
将来必要となる発電設備の供給力(kW)を、あらかじめ確保するための市場。電源の維持や新設への投資を促すことが目的。
長期脱炭素電源オークション
脱炭素電源への新規投資を促すため、落札した電源に原則20年間、固定費相当の収入を保証する入札制度。2023年度に始まった。→ 政策・規制・市場動向
非化石証書
再エネや原子力など、化石燃料を使わずに発電した電気がもつ「非化石価値」を切り出して証書にしたもの。電力会社や需要家が購入し、再エネ電気の調達などに使う。
kW と kWh
kW(キロワット)は発電設備の瞬間的な出力の大きさ、kWh(キロワットアワー)は一定時間に発電・消費した電気の量を表す。1kWの設備が1時間フル稼働すると1kWhになる。

水素・燃料

グリーン水素・ブルー水素
再エネの電気で水を電気分解してつくる水素をグリーン水素、化石燃料からつくり、発生したCO2をCCSで回収・貯留した水素をブルー水素と呼ぶ。化石燃料から製造し、CO2を回収しないものはグレー水素と呼ばれる。→ 水素・アンモニア・合成燃料
低炭素水素
製造時のCO2排出量が一定の基準以下の水素。日本では水素社会推進法にもとづき、基準を満たす水素やアンモニアの供給が支援の対象になる。
価格差に着目した支援(CfD)
低炭素水素などの製造・供給コストと、代替される既存燃料の価格との差額を、国が長期間補てんする仕組み。日本では15年間の支援が行われる。
アンモニア混焼
石炭火力発電所で、石炭の一部をアンモニアに置き換えて燃やすこと。アンモニアは燃やしてもCO2を出さないため、火力発電の排出を減らす手段として実証が進んでいる。
e-fuel・e-methane(合成燃料)
回収したCO2と、再エネ由来の水素などからつくる燃料。ガソリンや都市ガスと同じ性質のため、既存のエンジンやガス導管をそのまま使える。
SAF(持続可能な航空燃料)
廃食用油、植物、廃棄物などを原料とする航空燃料。従来のジェット燃料と混ぜて使える。日本は2030年に国内航空会社の燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を掲げている。→ バイオマス・バイオエネルギー

CCS・炭素除去

CCS・CCUS
CCSは、工場や発電所から出るCO2を回収して地中に貯留する技術。CCUSは、回収したCO2を製品の原料などとして利用すること(CCU)も含めた総称。→ カーボンキャプチャ
DAC(直接空気回収)
大気中のCO2を直接回収する技術。大気中のCO2濃度は低いため、回収に多くのエネルギーが必要で、コストの低減が課題。
CDR(二酸化炭素除去)・BECCS
CDRは、大気中のCO2を取り除いて長期間固定する取り組みの総称で、植林、DAC、BECCSなどを含む。BECCSは、バイオマスの燃焼で出たCO2を回収・貯留する方法で、正味で排出をマイナスにできる。

原子力

SMR(小型モジュール炉)
一般に出力30万kW以下の小型の原子炉。主要な部分を工場で製造して現地で組み立てることで、工期の短縮やコストの低減をめざす。→ 原子力
次世代革新炉
安全性を高めた革新軽水炉、SMR、高温ガス炉、高速炉、核融合炉などの総称。日本は既存炉の建て替えなどを念頭に、開発・建設の検討を進めている。
核燃料サイクル
原発の使用済み燃料を再処理して、ウランやプルトニウムを取り出し、再び燃料として利用するしくみ。日本はこれを基本方針としている。

企業の開示

Scope1・2・3
企業の温室効果ガス排出量の区分。Scope1は自社の燃料の燃焼などによる直接排出、Scope2は購入した電気・熱の使用に伴う間接排出、Scope3は原材料の調達や製品の使用など、サプライチェーンの上流・下流での排出を指す。
SBT(科学に基づく目標)
パリ協定の目標と整合した水準であると、国際イニシアティブ(SBTi)から認定を受けた企業の削減目標。
ISSB・SSBJ
ISSBは、サステナビリティ情報開示の国際基準を策定する国際サステナビリティ基準審議会。SSBJは、その基準をもとに日本の開示基準を策定するサステナビリティ基準委員会。

最終更新日: 2026-09-26