水素・アンモニア・合成燃料

電化だけでは脱炭素が難しい製鉄・化学・発電・大型輸送などの分野で、化石燃料を置き換える手段として期待されているのが水素と、その仲間であるアンモニアや合成燃料です。

押さえておきたいポイント
  • 政府の水素基本戦略(2023年改定)は、水素(アンモニアを含む)の導入量を2030年に年300万トン、2040年に1,200万トン、2050年に2,000万トン程度とする目標を掲げています。
  • 2024年成立の水素社会推進法にもとづき、低炭素水素と既存燃料との価格差を長期(15年間)にわたって支援する制度が始まりました。
  • 日本は「何色の水素か」ではなく、製造時のCO2排出量(炭素集約度)で「低炭素水素」かどうかを判断します。

水素・アンモニア・合成燃料の最新ニュース

Global Hydrogen Review·2026-09-26
Global Hydrogen Review·2026-09-26
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記事の見出し・出典は各配信元のものです。全文はリンク先でご覧ください。一覧は1時間ごとに自動更新しています(更新: 2026年9月26日 16:00)。

解説:水素・アンモニア・合成燃料の基礎知識

水素の「色」と低炭素水素

水素は、つくり方によって製造時のCO2排出量が大きく異なります。一般には次のような呼び分けが使われます。

呼び名つくり方CO2排出
グレー水素天然ガスなど化石燃料の改質多い
ブルー水素化石燃料から製造し、発生したCO2をCCSで回収・貯留少ない
グリーン水素再エネの電気で水を電気分解ほぼゼロ

日本の制度では、色の名前ではなく「水素1kgの製造に伴うCO2排出量が一定値(3.4kg-CO2)以下か」といった数値基準で低炭素水素かどうかを判断します。欧州でも、再エネ由来の水素・燃料(RFNBO)に厳密な認証ルールが設けられています。

運び方:水素キャリア

水素は常温で気体のままでは体積が大きく、大量に運ぶのが難しいエネルギーです。そのため、次のような形に変えて運ぶ方法(水素キャリア)が開発されています。

  • 液化水素:−253℃まで冷やして液体にする。専用の運搬船や貯蔵タンクが必要。
  • MCH(メチルシクロヘキサン):トルエンに水素を結びつけた液体。常温・常圧で扱える。
  • アンモニア:水素と窒素の化合物。既存の輸送・貯蔵インフラがあり、そのまま燃料としても使える。

主な使い道

  • 発電:火力発電所で天然ガスに水素を、石炭にアンモニアを混ぜて燃やす「混焼」の実証が進んでいます。大型の石炭火力でアンモニアを熱量比20%混焼する実証も行われました。
  • 製鉄:鉄鉱石から酸素を取り除く工程で、石炭(コークス)の代わりに水素を使う「水素還元製鉄」の開発が進んでいます。
  • モビリティ:燃料電池トラック・バス、船舶燃料など、電池だけでは重量や航続距離の面で難しい分野が中心です。
  • 合成燃料(e-fuel)・合成メタン(e-methane):回収したCO2と水素から、ガソリンや都市ガスと同じ性質の燃料をつくる技術です。既存のエンジンやガス管をそのまま使える利点があります。

ニュースを読むときのポイント

  • 価格の単位を揃える:水素の価格は「円/Nm3」「円/kg」「ドル/kg」などが混在します(水素1kgは約11Nm3)。政府は供給コストを2030年に30円/Nm3、2050年に20円/Nm3以下とする目標を掲げています。
  • 「MOU」「FS」「FID」の違い:基本合意(MOU)や事業化調査(FS)の段階の発表は多いものの、最終投資決定(FID)まで進む案件は限られます。
  • 電解槽の規模:水電解装置の規模は「MW」で表されます。発表の数字が設備容量なのか水素の製造量(トン/年)なのかを確認しましょう。

公的な情報源

  • 資源エネルギー庁:水素基本戦略、価格差に着目した支援制度
  • NEDO:グリーンイノベーション基金による技術開発プロジェクト

解説の最終更新日: 2026-09-26

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