政策・規制・市場動向

GXは、国の制度設計と企業の投資判断が強く結びついた分野です。このページでは、個別の技術分野を横断する政策の枠組み、電力市場の制度、企業の情報開示ルール、海外の政策動向を扱います。

押さえておきたいポイント
  • 2023年に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定され、GX推進法が成立しました。今後10年間で150兆円を超える官民のGX投資を実現することを目指しています。
  • その呼び水として、国は「GX経済移行債」を発行し、10年間で20兆円規模の先行投資支援を行います。財源はカーボンプライシングによる将来の収入で返済する計画です。
  • 2025年2月には、GX2040ビジョン・第7次エネルギー基本計画・地球温暖化対策計画が一体で決定され、温室効果ガスを2013年度比で2035年度に60%、2040年度に73%削減する目標が示されました。

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記事の見出し・出典は各配信元のものです。全文はリンク先でご覧ください。一覧は1時間ごとに自動更新しています(更新: 2026年9月26日 16:00)。

解説:政策・規制・市場動向の基礎知識

「成長志向型カーボンプライシング」の全体像

日本のGX政策の特徴は、先に投資を支援し、後から段階的に炭素に価格をつける点にあります。企業が脱炭素投資を進める時間を確保しつつ、将来の負担を予見できるようにするねらいです。

時期主な措置
2023年度〜GX経済移行債による投資支援、GXリーグでの排出量取引の試行
2026年度〜排出量取引制度(GX-ETS)の本格稼働(大規模排出企業の参加義務化)
2028年度〜化石燃料の輸入事業者などへの「化石燃料賦課金」の導入
2033年度〜発電事業者への排出枠の有償割当(特定事業者負担金)の導入

電力市場の制度

  • 容量市場:将来必要な発電設備の「供給力(kW)」を確保するため、4年先の供給力を取引する市場です。
  • 長期脱炭素電源オークション:脱炭素電源への新規投資を促すため、落札した電源に原則20年間、固定費に相当する収入を保証する仕組みです。2023年度から実施されています。
  • 非化石価値取引市場:再エネや原子力で発電した電気の「非化石価値」を証書として取引する市場です。企業の再エネ調達などに使われます。

企業の情報開示

投資家が企業の気候関連リスクを評価できるよう、情報開示のルールづくりが進んでいます。国際的にはISSB(国際サステナビリティ基準審議会)の基準が策定され、日本ではこれをもとにSSBJ(サステナビリティ基準委員会)が国内基準を公表しました。時価総額の大きいプライム市場上場企業から、段階的に開示が義務化される予定です。サプライチェーン全体の排出量(Scope3)の開示も含まれます。

海外の政策動向

  • EU:2030年に1990年比55%削減を目指す政策パッケージ(Fit for 55)のもと、ETSの強化やCBAMの導入を進めています。産業競争力とのバランスを重視する方向への修正も議論されています。
  • 米国:2022年のインフレ抑制法(IRA)でクリーンエネルギーへの大規模な税額控除が導入されましたが、2025年の政権交代後、税制改正で多くの控除が縮小・前倒し終了となり、パリ協定からの再離脱も表明されました。
  • 国際交渉:毎年開かれる国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)で、各国の削減目標(NDC)や途上国支援の資金が議論されます。

ニュースを読むときのポイント

  • 政策の段階を確認する:審議会での議論、とりまとめ、閣議決定、法案の提出・成立、施行と、段階によって確定度は大きく異なります。
  • 「目標」と「見通し」:エネルギー基本計画の電源構成は、政策の方向を示す「見通し」であり、実現を約束する数値ではありません。
  • 予算の種類:当初予算か補正予算か、複数年度の基金かによって、支援の規模や継続性の見え方が変わります。

公的な情報源

  • 経済産業省:GX実行会議、GX2040ビジョン
  • 環境省:地球温暖化対策計画、温室効果ガス排出量の統計

解説の最終更新日: 2026-09-26

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